(自動式)電源切換用高圧交流真空負荷開閉器
VAS
(自動式)電源切換用高圧交流真空負荷開閉器
用途
病院や駅構内など、停電の許されない重要設備の電源切換に最適です。
特長
- 使用目的により使い分けができるよう、常用線優先権あり(A形)、優先権なし(G形)、切換えロック機能付(L形)および直流任意操作形(Z形)と豊富な機種を揃えています。
- 機械的、電気的インターロックを設けていますので、同時投入の心配がありません。また、開放状態では、接触子はニュートラルの位置にありますので安全です。
開閉器の種類
分類 | A形 | G形 | Z形 | ||
---|---|---|---|---|---|
形名 | VAS-B-AN11 | VAS-B-ALN11 | VAS-B-GN11 | VAS-B-GLN11 | VAS-B-ZN11 |
制御電圧 | 交流制御(AC100V) | 直流制御(DC100V) | |||
電源に対する優先度 | 常用優先 | 常用、予備電源いずれかを早く給電された方を優先 | |||
常用から予備への切換り動作 | 常用電源が停電すれば、自動的に予備線に切換ります。 | 常用電源が停電すれば、予備側の電源が確立された時点で、自動的に予備側に切換ります。 | - | ||
常用電源の復電に対する動作 | 予備線より送電中、常用電源が復電すれば自動的に切換ります。 | 予備線より送電中、常用電源が復電しても自動的に常用線には切換りません。予備電源を切り離した時点で常用線に自動的に切換ります。 | - | ||
負荷側の過電流事故に対する動作 | 負荷側で過電流事故が発生し、電源側のCBが遮断しますと遅延時間を持って開放します。この時、他方に電源が確立されていれば自動的に切換ります。 | 負荷側で過電流事故が発生し、電源側のCBが遮断しますと遅延時間を持って開放し、そのまま開放状態を保持します。(切換えロック機能)ロック状態を解除する場合には、R-S端子を短絡して下さい。 | 負荷側で過電流事故が発生し、電源側のCBが遮断しますと遅延時間を持って開放します。この時、他方に電源が確立されていれば自動的に切換ります。 | 負荷側で過電流事故が発生し、電源側のCBが遮断しますと遅延時間を持って開放し、そのまま開放状態を保持します。(切換えロック機能)ロック状態を解除する場合には、R-S端子を短絡して下さい。 | - |
※据置形もご用意しております。
切換えロック機能付(L形)について
常用側より送電中、開閉器負荷側の過電流事故が原因で予備側へ切換りますと、健全であるべき予備線までが事故を検出して停電することになります。この場合の有効な手段として切換えロック機能付があります。この機能は過電流事故が発生し常用線が停電しますと、遅延時間を持って開放し、同時に常用、予備共通の投入回路を遮断しますので、予備線側へは切換らずにそのまま開放状態を保持します。(切換えロック機能)
ロック状態を解除する場合にはR-S端子に自動復帰式のボタンを接続し、制御電圧を印加した状態で操作(押す)して下さい。
定格および仕様
操作方式 | 自動操作式(常時励磁式) | ||||
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定格電圧 | 7.2kV | ||||
定格周波数 | 50/60Hz | ||||
定格耐電圧 | 60kV | ||||
定格電流 | 200A | 300A | 400A | ||
定格短時間耐電流(1秒間) | 8kA | 12.5kA | |||
定格短絡投入電流 | 20kA-3回 | 31.5kA-3回 | |||
適用系統短絡容量(※1) | 100MVA | 160MVA | |||
過電流検出値(※2) | 700A±100A | ||||
開閉性能 | 負荷電流 | 200A-3000回 | 300A-3000回 | 400A-3000回 | |
励磁電流(※3) | 10A-10000回 | 15A-10000回 | 20A-10000回 | ||
充電電流 | 10A-10000回 | ||||
コンデンサ | 6kV 1000kvar(3kV 600kvar)-1000回 | ||||
無電圧連続 | 自動操作-10000回 手動操作-1000回 | ||||
耐塩じん汚損性能 | 0.35mg/cm2(耐重塩じん用) | ||||
操作性能(※4) | 定格制御電圧 | A形・G形 | AC100V | ||
Z形 | DC100V | ||||
制御電圧変動範囲 | A形・G形 | 定格制御電圧の85~110% | |||
Z形 | 定格制御電圧の75~110% | ||||
起動電流 | A形・G形 | AC13A以下 | |||
Z形 | DC11A以下 | ||||
常時電流 | A形・G形 | AC1.0A以下 | |||
Z形 | DC0.4A以下 | ||||
切換時間 | 常用⇔予備 約0.3秒 | ||||
補助接点 | 常用、予備 1a1b(C接点) | ||||
主回路口出線サイズ | 80mm2-30cm | 100mm2-30cm | 125mm2-30cm | ||
総質量 | 131kg | 136kg | 144kg | ||
規格 | JIS C 4605(高圧交流負荷開閉器)適合 |
(注)1.適用系統短絡容量とはこの開閉器の遮断容量ではなく、この開閉器が使用できる設置点の短絡容量です。
2.過電流検出値とは、内蔵された過電流検出リレーが作動する値です。Z形は除きます。
3.変圧器の励磁電流は定格一次電流のおよそ5%前後です。
4.操作変圧器は500VA以上のものをご使用下さい。
残留電圧について
- 残留電圧とは
例えば、上図の回路図に示すように誘導電動機(M1、M3、M4、M5)が運転されている状態では、常用側の遮断器(CB1)または開閉器(S1)を開放して、電源電圧を断っても誘導電動機は慣性で回転し続けます。この回転によって、誘導電動機から割合長時間にわたって電圧が発生し続けます。この電圧は、回転の減少とともにゆるやかに減衰します。このように電源電圧を断っても電気回路に残存する電圧を残留電圧といいます。この残存電圧は、本切換用開閉器の動作上、次のような影響がありますので注意が必要です。
- 切換時間がのびることがあります
上図の回路図に示すように、この本切換用開閉器の制御電源が操作開閉器(VT)を通して直接供給されている時、遮断器(CB1)または開閉器(S1)を開放して、電源電圧を断っても上記でのべた残留電圧が発生すれば、この残留電圧が操作開閉器(VT1)を通って本切換用開閉器の制御回路に供給されるため、所定の切換時間(約0.3秒)で常用側より予備側には切換らず、残留電圧が電源選択リレーm1の開放電圧(約50V)以下に降下するまで常用側に投入し続けるため、上図の切換りタイムチャートに示すT1の時間が長くなります。従って、常用側より予備側に切換る切換時間T4がのびて、所定の切換時間(約0.3秒)で切換りません。
- 遮断器を遮断させることもあります
本切換用開閉器の負荷側に残留電圧があるとき、短時間に常用側より予備側へ切換動作を行えば、予備側の電源電圧と負荷側の残留電圧との位相の『ずれ』により過電流が流れて、遮断器(CB2またはCB3)を遮断させることがあります。
そこで、負荷側の電圧が充分に降下したことを確認してから切換操作をするなどの配慮が必要です。この場合GまたはZ形を使って外部でいろいろな制御回路を組まれるようお奨めします。
なお、負荷側には残留電圧の発生がなく、電源側にだけ残留電圧の発生があれば切換時間はのびますが、遮断装置を遮断させることはありません。
動作説明(直流操作形)
直流制御形は、蓄電池などの直流電源装置を使い、外部でいろいろな制御回路を組んで切換り動作をさせることができます。例えば、接続図に示すように制御スイッチS1,S2を接続して、操作すれば下表のような切換り動作をさせることができます。
形式 | 制御スイッチの状態 | 送電の状態 | |
---|---|---|---|
常用側(S1) | 予備側(S2) | ||
VAS-B-ZN11 | 入 | 切 | 常用側より負荷に送電 |
切 | 入 | 予備側より負荷に送電 | |
予備より負荷に送電状態で 常用側の(S1)を入 |
常用側には切換らず予備側より そのまま負荷に送電 |
||
切 | 切 | 開放 |
(注)常用側、予備側の制御電源を同時に印加(S1,S2を同時投入)しますと、切換動作に問題が生じますので同時に印加したときは必ず常用側あるいは予備側どちらか早く動作するように、インターロック回路を外部で組まれるようお願いします。
標準価格
形式 | 定格電流 | 標準価格(税別)(円) | 備考 |
---|---|---|---|
VAS-B-AN11 | 200A | 1,950,000 | 操作変圧器は含みません |
300A | 2,010,000 | ||
400A | 2,146,000 | ||
VAS-B-GN11 | 200A | 1,936,000 | |
300A | 1.996,000 | ||
400A | 2,130,000 | ||
VAS-B-ZN11 | 200A | 1,936,000 | |
300A | 1,996,000 | ||
400A | 2,130,000 | ||
切換えロック機能付の値増し価格 | 91,000 |